1.デジタル難民 |
インターネットのおかげで、明らかに便利になった僕らの生活。 人間関係までもが、SNSを利用することによりお手軽に構築できるようになった。 しかし、そこで築かれる人間関係とは、一体何なのだろうか? 果たして、僕らは、満たされているのだろうか? 僕は、SNSを利用し、たくさんの人達と繋がり、そして、自分の曲を広めてきました。 そんな僕だからこそ、この曲を作ることができたのだと思います。 |
2.じらし果実 |
人が感じる感覚は、相対的です。 刺激ばかり味わっていると、その刺激に対して鈍感になってしまう。 同じ感覚を味わうためには、今まで以上に強い刺激を与える必要がある。 結果、大切なものまでも壊している。 それが、今の僕らです。 感覚を戻すためには、我慢が必要。 ただ、「我慢」という言葉には、あまり良い印象をもっていない方が多いと思いまして、今回は、あえて「じらし」という言葉を使いました。 「じらし」という言葉だと、なぜか我慢することも悪くないと思ってしまうのは僕だけでしょうか。 |
3.ビニール傘 |
僕らは、日々、多くの物を使い捨てにしています。 行き過ぎた使い捨ての感覚は、対象を物に限定せず、最近では、人が人を使い捨てにしている。 それが、対恋人なのか、対家族なのか、対会社なのか、対国なのか、はたまたそれ以外なのかは、皆さん一人一人の判断に委ねます。 きっと、この曲の主人公は、皆さんの身近にいる。 |
4.期待はずれ |
学生時代、特に反抗期には、大人達の行動を軽蔑していました。 だけど、いざ自分が大人になり、その行動を振り返ると、当時、あれほど軽蔑していた大人達の行動と同じことをしてしまっている。 同様に、何かの組織に入る前、その組織のことを非難してしたのに、いざ自分が組織の一員になると、あれほど軽蔑していた組織の仕組みにどっぷり浸っている。 当事者になると思っていた以上に自分が、期待はずれだったということが、よくあると思いますが、そんなどうしようもない人間の弱さや汚さを描いてみました。 |
5.性三角形 |
恋愛は、一途であり、誠実であることが前提。 世の中に溢れているラブソングも、一途であり、誠実であることを前提に歌詞が展開しています。 ところが現実を見ると、そんな恋愛をしている人達は、数少ないものです。 この曲は、アーティスト達が、今まであまり描くことのなかった「二股」をテーマにした曲です。 甘ったるいラブソングには、もう飽きてしまった。 そんな方には、お奨めの一品です。 |
6.ワラ人形 |
元気なときは、気付けないことも、体の調子が悪くなると気付けることがよくあります。 健康の大切さは、その代表だと思いますが、この曲の主人公は、裏切ってしまった女性のことを思い出しました。 女性の怨みは怖いです。 最近、体の調子が悪くなってお困りの男性の皆さん。 もしかして・・・。 |
7.カブキ蝶 |
この曲は、平日の深夜、一人で歌舞伎町をウロウロして作った曲です。 週末の夜には、行かれたことがある方も多いと思いますが、平日の深夜の歌舞伎町は、何か独特の混沌さがあります。 歌舞伎町は、いつの時代も煌びやかで、人々を飲み込んでいきます。 ただ、もちろん裏の部分もあって、そこに深入りしすぎて人生を見失ってしまう人もいる。 光と闇、建前と本音、夢と現実、様々な表情を見せる歌舞伎町を蝶のように人々が飛んでいる。 ある平日の深夜、確かに、存在していた世界を描きました。 |
8.本当のこと |
この曲は、18歳の時に作詞・作曲をしたものです。 上京して、すぐに出来た曲なので、当時の僕の東京生活に対する想いなどが込められています。 憧れを抱いて乗り込んだ東京。 過剰なまでの期待と、そこにあった現実。 その狭間で、色々なことを感じていたのだと思います。 |
9.ハゲモノ |
最近、耳を疑う事件が、本当に増えてきています。 子が親を殺し、親が子を殺し、若者からお年寄りまで自殺し、挙句の果てには、誰でもいいから殺したかったなどという事件まで・・・。 毎日、ニュースやワイドショーは、悲惨な事件を伝え、大人達は、それについて議論を重ねていますが、結局、何の解決策も打ち出せない。 気が付けば、僕らは、そんな異常な状況にすら慣れてきてしまっている。 こんな暗い曲が、認められない世の中であれ・・・。 |
10.話してみてよ |
前回のアルバムから、多くの影にスポットを当て、そして、嘆いてきました。 現実に対する不安や怒りや絶望、それが、僕が曲を作る上での原動力になっていたのだと思います。 だけど、やはり僕の音楽を聴いて、リスナーには元気になってほしいし、希望を見出してほしい。 だから、色々と嘆くのはやめて、このアルバムの終盤では、少し理想を描こうと思いました。 そして、この曲は、その決意表明です。 |
11.シックスナイン |
意味深なタイトルの曲ではありますが、伝えたいことは、そういうことではありません。 この曲のテーマは、助け合いです。 僕らは、自分で自分を大切にすることができます。 ただ、他人から大切にしてもらった方が、やはり嬉しいものです。 そして、他人を大切にすることで得られる幸福感があります。 助け合いという真正面からでは恥ずかしくなってしまいそうなテーマを、今までにはない面白い視点から描いた作品です。 |
12.違った世界 |
自分という存在は、元々そこにあるような固定的なものではなく、周りの人達によって作られる変動的なものだと思うんです。 だから、恋人や友人から「優しい」という言葉をもらえるのであれば、それは、自分が優しいのではなく、その人達によって、優しい自分が作られているということなのではないでしょうか。 僕らは、他人から自分という存在を作ってもらい、また、自分も他人の存在を作っている。 この曲は、そういった人間同士の素敵な関係性を描いた作品です。 |
13.キズナ |
曲名の「キズナ」ですが、これは「絆」という意味ではなく、傷の名前で「傷名」という意味です。 傷と聞くと、悪い印象を抱いてしまいがちですが、醜い傷も必死で動き続けていれば、誇らしいものに変わっていくことがよくあります。 心の傷は、目に見えないから厄介なのではなく、目に見えないからこそ、どんなものにだって変わっていく可能性がある。 僕らは、どんな傷にだって素敵な名前を付けていける。 そんなポジティブなメッセージを込めた作品です。 |
14.大事なこと |
この曲は、「本当のこと」のアンサーソングです。 18歳で上京し、色々と悩んだり、不安を抱えたりもしましたが、振り返れば、本当に素敵な日々でした。 「本当のこと」を追求してそれに没頭するのも一つの道ですが、「大事なこと」をしっかりと理解しておくことは、やはり必要だと思います。 ありがとう そばにいてくれて ありがとう 君がいてくれて そういう気持ちこそが、「大事なこと」なのかもしれません。 |